the Band

 12 1995年 - 1998年 吉田美奈子 & The Band



 吉田美奈子さんとは83年頃のライブでもホーン・セクションの一員として度々参加させていただいた。それから日は巡り、ちょうど干支が一周りした95年に再びお声がかかり、今度はワンホーンでの参加になった。

 「The Band」のメンバーは、難波弘之、富樫春生、土方隆行、岡沢章、沼澤尚、浜口茂外也、各氏の布陣でなかなか強力な面子がそろっていた。このころのライブでは、私は美奈子ファンには無名の存在であって、名を聞いたこともないプレイヤーのように書かれていたりしているのを読んで、そのたびに憮然とした。彼女のコアなファンには、新参者として捉えられていたらしい。

 ほとんどすべてがオリジナル楽曲であり、展開の難しいものも多かったが、在籍した3年あまりは刺激的で、かなり充実していたことは間違いない。直接の関係はないが、この時期から自分の楽曲でのライブというものを真剣に考えるようになっていった。 

 そこまでの仕事、スタジオワークというものはいわゆる芸能界の一端であって、彼ら彼女らのバックで演奏する歌伴とは切っても切れない関係があった。つまるところスタジオワークの延長にステージの仕事があった。しかし、タレントの方々がいつまでも最前線で活躍するものでもなく、そこにも世代交代の波は押し寄せていた。このタイミングを逃すべきではないとの思いが強まり、プレイヤーとしての活動に区切りをつける時が来たと考えた。
 大げさな話のようだが、プレイヤーとして流されることは簡単でも、何かを新たに始めるにはパワーが必要だし、50前になってやっと動き始めたというわけだ。そういった意味では、このバンドへの参加は一つの分岐点だった。

 The Bandのメンバーは、その後パーカッションとキーボードが一人抜けて5人編成になった。クラブサーキット・ツアーと銘打って全国各地のライブハウスを回ったことも懐かしい。

 美奈子さんには、2012年にも声をかけていただき、新宿ピットインと甲府ジャズストリートのイヴェントで演奏することができた。それも、ほぼ干支一周り後の再会ではあった。




2015 1/20


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