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2006年 9月25日 Colrane's Birthday(9/23)
9月16、23日付けの On line - New York Times
1926年9月23日生まれだった、ジョン・コルトレーンの生誕80周年のイベントが、いくつか行われているようだ。
21日はJoe Lovano(ts)Lonnie Plaxico(bass)Steve Kuhn(piano)Andrew Cyrille(drums)がBirdlandで。
そして、去る14日には、ウィントン・マルサリス(Wynton Marsalis)率いるJazz at Lincoln Center Orchestraが、新しいシーズンの幕開けをコルトレーン特集でスタートした。

Joe Temperley(baritone sax)
Rose Theaterで行われたオーケストラとは別に、トッド・ウィリアムス sax(Todd Williams)とケビン・マホガニー singer(Kevin Mahogany)はコルトレーンとジョニー・ハートマンのアルバムをAllen Roomで再現したらしい。何れもコルトレーンの曲を取り上げたわけだが、そのオーケストラのコンサート評が面白い。コルトレーンの音楽は、曰く言い難いスピリチュアルな彼の音があってこそなんだけど、どんな風に料理したかって事。次に、ほんのサワリを紹介。
Giant Stepsは勿論演奏されたらしいが、Big Nick は Sherman Irby(sax)のブルースを基調にしたパーフォーマンスに。Like SonnyVincent Gardnerはによって鋭くスリリングにアレンジされ、Erica von Kleistのフルートがハイライトを作った。ここらは、まあ、想像出来ないこともない。クローズ・ヴォイシングで、サド・メルでのボブ・ブルックマイヤーのアレンジのようにしたのだろうかとか世迷言は膨らむ。
コルトレーンの曲を、いかにオーケストラにフィットさせるかと言う問題は、その音色によっていくつかの色彩を放つ事で果たされ、例えば、Naima のメロディは5本のバスクラリネットによって演奏され、ブリッジ部分はミュートされたトロンボーン・ソロ、テッド・ナッシュはGrand Centralに複雑なヴォイシングを吹き込み、同じく、My Favorite Things のメロディを5本のソプラノ・サックスで。
バスクラ5本のメロディはどうだロ。高い音域を吹いた人もいたはずで、クォーとか鳴ってる横で、ウムムム、ブルブル、メリメリとかサウンドしていたと予想される。ま、あくまでも予想だけど。個人的にはソプラノ5本でのFavorite Things はあまり聞きたくないと言うか、ま、達人ぞろいだから問題ないにしても、やる立場になったら辛そうな気がする。5人がユニゾンだったりしたら尚更の事。Alabamaに於けるマルサリスのソロ、ジョー・テンパーレイ (Joe Temperley) のバリトン・サックス・ソロと合わせて絶賛されている。
しかし、評者は厳しい注文も忘れていない。
先立って行われた祝賀会にラシッド・アリなどを招いてはいたが、そのアリが在籍した後期のコルトレーンのサウンドに聞こえていたエネルギーが足りなかった、Dan Nimmerのピアノはマッコイ・タイナー (McCoy Tyner)のやり方に確信が持てぬままで、デニス・アーウィン bass (Dennis Irwin) とアリ・ジャクソン (Ali Jackson) drums もリズムを強く推進出来てはいなかったと言っている。
Africaでの、Mr. Jackson によって強力にプッシュされた Walter Blanding のテナーソロが、この夜の、他のどのアイデアより深く Coltrane の音を呼び起こした唯一の瞬間だった。概ね成功ではあるが、と結んでいる。
Africaは元が大編成だからスムーズだったと予想されるが、何だかんだ言っても、今、コルトレーンで押し通すってのは大したものだってのが正直なところ。
コルトレーンのサイトを開くと、いきなり彼の音が聞こえてくるのだけど(A Love Supreme)、この時代の巨匠を久しぶりに聞くと、グォーッと揺さぶられるものがある。
この評者、NATE CHINENは、毎週ジャズのライブ評を書いているようなのだけど、ネットでこのようなものが日常的に読める所がネット先進国と言うか、他にもダウンビート・マガジン、Time誌と、将来的な手段を紙媒体ではない方向で準備しているようだ。これには紙面を飾るスポンサーの応援が欠かせない。
これについての詳しい説明もページ上で読む事が出来る。
マルチ・メディアの世界は日々変化しているのだが、一体どこまで進化を続けるんだろう。
ダウンロードのあおりを受けてアメリカのタワー・レコードは何度目かの破産の憂き目にあった。
新聞、雑誌などがダウンロード主流になる日が来る事だって考えられる。そうすると、日本の雑誌の手を借りずに、ニューヨークの情報を手に入れる事が出来るし、勿論、それには膨大な情報を翻訳するシステムが必要にはなるだろうが、世界中の音楽界の動向を、今よりもずっと充実した形でリアルタイムに見聞きする事が出来る筈だ。
僕等が20代の頃を考えれば、「アメリカは遠かったなぁ」と、つくづく思うわけだ。ダウン・ビート誌を、ある楽器店経由で取り寄せていたけど、数ヶ月遅れで入荷すればまだしも、途中のトラブルで未着なんて事もあり、遂には楽器店が仲介を止めてしまってそれっきり。
ま、僕等は情報がより正確に早く入れば嬉しいわけで、手段はともかく、世界がますます良い意味で狭くなって行くような気はする。
コルトレーンのサイト(メニュー・ページで12曲聞ける!!)
http://www.johncoltrane.com/
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2006年 9月18日 David Liebman
9月15日付けのNew York Times、デヴィッド・リーブマン(David Liebman)の記事を発見。ジャズクラブ"Birdland"の60周年記念ライブに3日連続、それぞれ違う編成で出演。

トニー・マリノ (Tony Marino) bass、 ジム・ブラック (Jim Black) drums、そして、テナー奏者、エレリー・エスクリン? (Ellery Eskelin) と Liebmans のカルテット編成。
不勉強でこれまで知らなかったサックス奏者エレリーはリーブマンに師事した事もある人らしい。1959年生まれで、キャリアも長いが、こんな演奏家が後から後から現れるってのが凄い。
リーダーアルバムだけでも十数枚あるし、試聴したのだが、ま、相当なレヴェルの演奏家である事は確かだ。
もう少し詳しく書くと、ボルティモア生まれの彼は、オルガン(B3)奏者であった母親の影響を素直に受け、10才でテナーサックスを始めた。大学で(Towson University)音楽学士号を得、トロンボーン奏者バディー・モロー (Buddy Morrow) と1年程楽旅に出たりした後、83年にニューヨークに移住。
幅広く活動すると共に、ジョージ・コールマン (George Coleman) とデヴィッド・リーブマン (David Liebman) に師事。
ま、リーブマンが共演相手に選ぶような人だから、硬派のジャズメンで、この日のセットリストを見ると、テナーの音が炸裂した様子も思い浮かぶってなものだ。
記事では、この日リーブマンはソプラノを家に置いてきたと書いてある。一時はテナーを止めてソプラノに専念すると言い出して、がっかりさせられた事もある僕としては、ここのところ積極的にテナーを吹き、また新譜でややこしい彼のラインを堪能出来る事は喜ばしい。
先ずリーブマンのオリジナル「Tie Those Laces」は、リーブマンの導入部からエレリーのソロ(4分の11拍子!)に突入。ま、初っぱなから過激な展開。
コール・ポーター(Cole Porter)の「 What Is This Thing Called Love?」に基づいた二つの楽曲、タッド・ダメロン(Tadd Dameron)の「Hot House」リー・コニッツ(Lee Konitz)の「Subconscious-Lee」 が演奏されたらしいが、デュアルって事はそれぞれが同時にテーマを吹いたのかも知れない。で、この曲ではコルトレーンを彷彿とさせるリーブマンの圧倒的なソロがセットのピークと思えたらしい。
同じく、エレリーは自作曲の「Samba」で渡り合い、セットの最後は、なんとアルバート・アイラー(Albert Ayler)の「Ghosts」 、ドラム、ベースの渾沌としたサウンドに煽られて、2人のサックス奏者が「raged」と書かれているが、これは辞書引きすれば、どなり散らす、〈嵐〉が荒れ狂う, 猛威をふるう、って事で、どっちにしろ、2人とも真っ赤っかで、青筋モロだった事が分かる。
ま、見てもいないのにって言うのもあるが、記事を読んで想像を膨らますってのも悪くない。曲目を見ているだけでも案外「ヘエーッ」なのだ。
このような記事がチョクチョク出る事を知って、このネットニュースを購読(登録すると、ニュースのインデックスが毎日メールで届く)しているのだけど、さすがにご当地と言うか、音楽の記事はかなり懇切丁寧で面白い。
「ワシントンポスト」の方には、今月の注目ライブ記事も掲載される。ニューヨークフィルの新しいシーズン開幕とか、この町の人達が自分達の文化をとても大事に見守っている事も分かるし、ジャズクラブが困難な状況にある事も知りつつバックアップしているわけだ。