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2006年 10月12日 Esperanza Spalding
エスペランサ・スポールディングは1984年生まれの女性ベーシスト。
いくつかの自分のユニットと、現在Joe Lovano Trioでも活躍中。 ミシェル・カミロCamilo (Michel Camilo) 、レジーナ・カーター (Regina Carter) 、ボストン ・ポップス: オーケストラ (The Boston Pops Orchestra) 、パット・メセニー (Pat Matheny) 、 テリ・リン・ キャリントン (Teri - Lynn Carrington) 、 Seamus ブレイク (Seamus Blake) 等との共演暦を持ち、パティ・オースティン (Patti Austin) のツアーにも参加している。
注目の若手の一人らしく、ニューヨークでのライブ評を読んだ。Trio とQuintetの編成でステージをこなしたそうなのだが、トリオのメンバーは2人のキューバのミュージシャン、ピアニスト、 アラン・ オーティズ (Arun Ortiz) とドラマー、フランシスコ・メラ (Francisco Mela) 。
このトリオの個性的な部分の紹介が興味深かった。
繊細且つスペイシーなアプローチで、彼女がシンプルにオスティナート(パターン)を演奏する事によってサウンドを作り上げる。そして彼女は、テーマ部分も含めスキャットをその中に折り込んで行く。
と来ると、聞いてみたくなる。しかも、選曲が多彩で、チック・コリアのHumpty Dumpty 、ジスモンチ (Egberto Gismonti) のLoroと、他にもブラジル色の強い曲等々。
ただ、ピアノとベースだけになったり、ボイスとドラムデュオになったりする箇所が退屈な部分だったとしているのだけど、ま、勢いと言うか、少し頑張り過ぎたのかも知れない。
で、どうしても聞いてみたくなり、彼女のサイトを探してみた。あった。しかも音源がアップされている。こちら
ここのMusic Sound Clipsで、7曲聞く事が出来る。
リーダーアルバムが1枚だけ出ているが、スペインの小さなレーベルでの発表で、大手のサイトでは販売されていない。
僕はdisk・unionのサイトで注文した。
JUNJO
Esperanza Spalding
2006, AYVA 036
メンバーはライブと同じで、上記コリアの曲も聴く事が出来る。冒頭のベース・サウンドにワクワクしたりするが、全体的には案外単調にも思えた。彼女の声は幾分細く、パワーを感じるほどのものではない。しかし、グループの際立った個性が様々に聞こえても来る。「過度な期待を持ってはいけないのですが、彼女の音楽は、すでに強いものを放っていて、それは、明らかにもっと深い何かに発展する可能性を持っています。」と言う批評は、かなり的確だと思う。
いわゆるジャズフィールドで、新人は次々に現れ、継承と発展を繰り返すのだけど、このEsperanza Spaldingの周辺の若者たちが向かっている場所は、単に他民族の音楽を取り入れると言う意味だけでなく、現在の音楽シーンで起こっているものを軽く受け入れるグローバルな視点が新鮮で、久々に新しい息吹を聞いた気がする。
追記(2007、12/17)
最近、エスペランサの演奏はYouTubeなどでも見ることができるが、彼女の野外セッション、5拍子の「Body and Soul」を見て驚いた人もいるだろう。
2007年12月のダウンビート誌に小さな記事が掲載された。エスペランサは彼女のヒーローだった3人のプレイヤーと共演したというもの。ドラムのブライアン・ブレイド (Brian Blade) 、ベース/ボーカリストのリチャード・ボナ (Richard Bona) 、ベース奏者、スタンリー・クラーク (Stanley Clarke)
「私が尊敬しているミュージシャンとの演奏は、スーパーマンとかスパイダーマン以上の出来事です。それは衝撃的と言うより、誠実且つ懸命に取り組む演奏家が達する自然な結果を見ることが出来ました。
"So many people are asleep, but I'm awake."」
追記(2008、7/8)
彼女の新しいアルバム「Esperanza」(スペイン語で「希望」を意味するらしい)が話題になっているのだが、アルバム発売と同時にダウンビート誌でもインタビュー記事が組まれたし、他のメディアでも発言が取り上げられている。彼女がパット・メセニーに次ぐ若さでバークリー音楽院のインストラクターになった等々、興味深い内容満載。しかしながら詳細を書く暇がない。そのうちアップする予定。