パスタとの生活が1年以上経った2002年の6月25日、サッカーのドイツ/韓国戦が始まって間もなく、玄関の方から「ミーッ、、ニョーッ」という声が聞えるので外に出ると、2匹の子猫がドアの前にいました。一匹はウチの中に入ろうとしました。掴み上げると「フーッ」と一人前に噴き、下に戻すとヨタヨタしながら逃げました。
それから一時間後、また声がするので出てみると数が増えていました。(5匹!!)どこから現れたのか、ワラワラと近付いてきて、周りで飛び跳ねます。
外は雨です。こちらから近付くと雨の中に散らばってしまうので、暫く様子を見てドアを閉めました。「まさか捨て猫ではないだろうな?」、不安がよぎりました。
数時間後、出てみると姿を消していました。親が来て、何処か安全な場所に移動したのだろうと安心したのもつかの間、深夜3時、聞こえた声は更に大きく、叫んでいるようでした。今度は母親も一緒です。乳母車の左側は、中庭です。雨はやむ気配無く、気温も低く、母猫はどうしたらいいか困っているようにも見えました。
とりあえず、母猫に大きな缶詰を開けて持って行きました。子猫にはミルクです。母猫は、警戒して唸り、隠れました。
缶詰めの皿に群がったのは仔猫達でした。仔猫達にはまだ早いのではないかという不安もありましたが、取り上げるわけにもいかず、再び姿を現した母猫と共に「ニーッ、ニー」と盛り上がるのを眺めていました。しばらくして見に行くと、母猫も一緒に食べていましたが、あくまでも子猫が中心でした。偉いものです。その後、カルガモの行進のように連なって、ヒョコヒョコ雨の中に姿を消しました。

明けて26日正午、何時もお見えになる猫(モンク)がやって来ました。彼が一通り食べて満足したころ、なんと昨夜の子猫達が次々に現れ、母猫も顔を見せました。モンクの家族だったのかもしれません。下の写真はその時の様子です。ボロいデジカメですが、夜のものより幾分マシかと思います。親はカメラを向けると逃げますから撮れませんでした。




中央の薄茶色2匹が積極的で、皿までカジります。「オイ、それは食えんぞ」(このどちらかが「みかん」になるわけですが、この時点では知る由もありませんでした)
「とおちゃん、これ何?」驚くパスタ。

「こらこら、入ってくるんじゃない」

ガツガツ、ガツガツ

「え"ーっ」、呆然のパスタ。
途方に暮れるパスタ
みかんが来た日
仔猫達は、その後も元気に飛び跳ねて御近所にも定着しつつあるようですが、これは最後の全員集合写真になりました。何か相談事でもしているように見えます。
下に少し見えているのはパスタの頭。「なんだかなぁ」


5匹もいると、必ずはじき飛ばされてべそをかく者がいます。可哀想なので、家の中に招待して食べ物を与えてみました。懸命に食べてはいますが、実はとても緊張しています。「うー」とか唸っていましたが「とりあえず食べるのが先!」という事なんでしょう。下の猫は後日ウチに来ることになった「みかん」ではないかと思われます。この様子を見ていた母猫が「この人に」と決断したのかもしれません。

「パスタ、邪魔するんじゃない!」
この後、外に出すと恐ろしい勢いで逃げていきました。実に正しい食い逃げです。
6月28日を境に一家は姿を見せなくなりました。良い物件が見つかったのでしょうか?引っ越したようでした。
夕刻、一匹の仔猫の泣き声が家の裏の方から聞こえていました。次の日の夜にも「ニイーッ」という声が少し離れた場所から聞こえてきましたが、様子を見に行くには暗すぎました。もしや引っ越しに付いて行けなかったのではないか?そう思わせるような声でありました。7月1日早朝、声は悲痛でした。
様子を見に行きました。雨の降る庭の草むらの中に声の主は潜んでいました。近付くと逃げますが、濡れているようです。
何とか捕まえて持ち上げました。抵抗する力も弱く、追いかけた所為もあって泥だらけでしたから、持ち帰ってお湯で洗いました。ドライヤーで乾かし、餌を与えると「お"っ、え"っ、わ"ー」。凄まじい勢いで、声をあげながら食べました。どんなにお腹が減っていたのでしょう。
上の写真は、食べ終わって、事態が良く飲み込めてはいないものの、とりあえず安心している様子です。眠そうです。この後、ほぼ一日寝ていました。鼻の周りが黒いのは模様だと思っていましたが、こびりついた汚れでした。

最初は戸惑っていたパスタも、何となく慣れたのか諦めたのか、渋々相手をするようになりました。ちなみに名前は「みかん」(雄猫)。この先、どうなるか分かりませんが、暫くはうだつの上がらぬサックス吹きと2匹は同居することになりました。

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みかんが家に来て4、5日後、母猫と4匹は、また顔を見せるようになりました。みかんを戻していいものか(病院で既にいろいろ検査済み)迷いました。
しかし、一度人間に飼われてしまった野良を戻してはいけないそうです。(人間の匂いのついた仔猫は戻れないとか)

最近はこの体たらく。
パスタはこの様な寝方はしなかったのですが、もしかして大物?(それとも狸?)
兄弟たちを見つめるパスタとみかん。


誰あろうこの方が、かのモンク様。
この騒動の張本人だと思われる猫。
最初に現れた夜、ベランダに正座し、窓越しに何も言わず、口半開きで微動だにしない様は圧倒的な存在感がありました。
時々姿を見せますが、自分が食べるためではないようです。自分が見込んだ人間がファミリーに対して粗相がないか?責務を果たしているか?確認に見えられるというわけです。
「はいはい」